子育て研究
Online ISSN : 2189-7581
Print ISSN : 2189-0870
保育場面における幼児の援助要請行動
池田 七海岡田 涼
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 9 巻 p. 31-41

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抄録
本研究では、心理学的エスノグラフィーの手法を援用した観察を行い、日常の保育場面において、幼児がどのような形で援助要請行動を行っているかについて発達的な視点から検討した。保育園に通う3~6歳児(62名)と保育者(約7名)を対象に観察を行った。その結果、援助要請行動として「言語」「身体表現」「泣き」「視線」「接近」「攻撃」「身体接触」「物の提示」の8つが見出された。3歳児では「物の提示」が多く、4歳児では「身体表現」や「視線」が多く、5歳児では 「泣き」 が多かった。また、援助要請が必要となる場面の種類によって用いられる援助要請行動が異なり、援助要請行動に対する保育者の対応も異なっていた。本研究の知見から、幼児は場面に応じて様々な形で援助要請を行い、それに応じて保育者の対応も変化することが示された。保育場面における幼児の援助要請行動の発達と保育者による対応について論じた。
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© 2019 日本子育て学会
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