2007 年 42 巻 2 号 p. 183-185
植物根内に生息するシュードモナスフルオレッセンスという細菌の一種を用いて,微生物を成分とする植物成長調整剤(商品名:「セル苗元気」)を開発した.現在,トマトおよびミニトマトの生育抑制剤として登録があり,セル成型育苗時の育苗培地として使用すれば,徒長防止効果が期待できる.育成されたトマト苗がアントシアン様色素を蓄積することから,作用機作は成分微生物の根部進入および定着のストレスによるものと推測している.成分微生物はトマト以外の作物種にも定着し,生育抑制作用を示すので,今後,農薬として適用を広げていく計画である.