2014 年 2 巻 1 号 p. 86-90
【目的】1987年10月から2013年12月までに当院で経験した腎移植例について臨床的に検討した。【対象と方法】対象は45例で,移植時平均年齢は,生体腎では40.7±13.6歳,献腎では46.8±11.6歳であった。移植前の平均透析期間は生体腎で3.49±4.13年,献腎で8.17±7.12年であった。急性拒絶反応を含む移植後早期合併症や,生着率,生存率について検討した。【結果】急性拒絶反応はバシリキシマブ使用前後の時期に分けると,発症率は47.4%から3.8%へ減少していた。血管系や出血関連の合併症を多くみとめ,移植後早期の死亡例を2例みとめた。また全死亡例8例のうち3例で死因として癌の関与が考えられた。生体腎の生着率は5年86.5%,10年76.6%でほぼ全国平均であった。【結論】ハイリスク症例では周術期の出血に最大限の注意を払うこと,移植後のフォローでは癌のスクリーニング検査が重要であることが示唆された。