2001 年 13 巻 2 号 p. 127-133
ロジスティック回帰の推測では, 現在では最尤法が標準的に用いられるようになっているが, 現実のデータ解析の場面では, 最尤推定の持つ漸近的な性質が成り立たない場面が多々ある.1つの解決策は, あるパラメータについて推測を行う場合, 残りのパラメータの十分統計量を与えた下での条件付並べ替え分布に基づいた正確な推測を行うことである.SASではリリース8.1からロジスティック回帰においてこの正確な推測が可能になった.正確な推測の概論と, 医薬分野における適用例を紹介する.