抄録
釣合不完備ブロック計画は最もよく応用される実験計画手法の一つであり,交互作用がない場合の実験回数の節約に有用である.その構成は有限体,有限幾何,ラテン方格等を利用してなされるが,一般には簡単ではなく統一的な方法もない.また,ニューラル・ネットワークの中で,階層型ネットワークは統計的データ解析でかなり広く応用されている.一方,フィードバックのあるホップフィールド型ネットワークは,巡回セールスマン問題などの最適化問題に広く応用されているが,統計学ではほとんど使われていない.本論文ではホップフィールド型ニューラル・ネットワークの統計学への応用として,その力学系のエネルギー最小化の性質を用いて釣合不完備ブロック計画を構成する方法を考察する.