計算機統計学
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シミュレーションによる最深回帰推定量の性能評価
藤木 美江白旗 慎吾
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2006 年 18 巻 1 号 p. 27-43

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抄録
本論文では,Regression(回帰)Depthを基に導き出された最深回帰推定量(Deepest Regression Estimator)について議論する.この推定量は,従来の最小2乗法に比べて正規分布からのずれと外れ備による影響が少なく,ロバスト回帰推定量に比べて効率の低下も少ない.頑健性を調べるには,大域的な信頼性を測る破綻点(Breakdown Point)と,局所的なロバストネスを測る影響関数(Influence Function)という尺度がある.これらを用いて推定量のロバストネスについて調べた結果,最深回帰推定量は高い破綻点を保ちながら,高い漸近効率をもつことがわかった.回帰depthの理論的な性質をまとめるとともに,シミュレーション実験により,他のロバスト回帰推定量との比較から性能評価を行なった.その実験結果により,実データ解析に適用可能であることを示した.
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© 2006 日本計算機統計学会
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