抄録
ネットワークデータ解析においてネットワークの可視化は最も基本的な役割を担う. ネットワークの頂点をユークリッド空間を含む多様体上へと埋め込む可視化は, graph embeddingやgraph drawingと呼ばれ, これまでに非常に多くの方法が提案されている. しかし, 多くのgraph embedding法は, 可視性に重点を置いており, ネットワークの構造をどのように多様体上に再現するのかという重要な問題を扱った研究は少なかった. 一方, 近年, 機械学習の分野においてこの重要な問題に取り組んだ研究が進んでいる. 本稿では, 非重み付きグラフとして表現されるネットワークデータに着目し, その背後の幾何的な構造に注目したgraph embedding法とその性質について紹介する.