抄録
本報告では, 縦断デザインに着目して, 主要な変化のパターンを抽出して対象をグループに分類しながらグループ間差を説明する独立変数を同時に探索する方法である, 構造方程式モデル決定木 (SEMTree) の方法について紹介する. SEMTreeでは, 従属変数間の関係性を表現するモデルであるテンプレートモデルをSEMにより設定してモデル内の母数を推定しながら, 母数のグループ間差を説明するのに有効な独立変数を, 教師あり学習である決定木を用いて探索して対象を分割していく. そして, SEMTreeにおける方法論上の課題の1つである, テンプレートモデルの誤設定の問題について, 実際の分析例を踏まえながら説明していく.