日本CT技術学会雑誌
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テクニカルノート
肺動脈と下肢静脈の撮影におけるsplit bolus 法の有用性: single bolus 法との比較
村松 駿佐藤 和宏
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2022 年 10 巻 3 号 p. 11-

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抄録

重要な要点

・肺動脈と下肢静脈の撮影において考案した造影剤注入法 (split bolus 法) は,それぞれの診断可能なCT 値を担保できる.

・Split bolus 法は,鎖骨下静脈,上大静脈に停滞する高濃度造影剤からのストリークアーチファクトが発生しない.

・Split bolus 法は,肺動脈と下肢静脈の検出のために臨床的に有用な造影剤注入法である.


要旨

【目的】肺動脈と下肢静脈の撮影を対象にした造影剤注入法 (split bolus 法) を提案し,診断可能なCT 値を担保しつつ,肺動脈の撮影においてストリークアーチファクトを抑制できることを従来のsingle bolus 法と比較して臨床的有用性を示すこと.

【方法】single bolus 法とsplit bolus 法で肺動脈と下肢静脈を撮影した画像から,鎖骨下静脈,上大静脈,肺動脈,下肢静脈のCT 値を計測し,比較した.さらに,静脈路に存在する高濃度造影剤からのストリークアーチファクトを視覚評価した.

【結果】肺動脈のCT 値は,single bolus 法,split bolus 法,それぞれ373.4 ±70.1 HU,300.3 ±41.7 HU であった.鎖骨下静脈および上大静脈のCT 値は,split bolus 法がsingle bolus 法より有意に低値を示した (P<0.01).下肢静脈のCT 値は,両群で80 HU 以上に造影されていた.視覚評価により,split bolus 法では全例でストリークアーチファクトが抑制されていることを確認した.

【結語】split bolus 法は,single bolus 法と同等の造影効果であり,診断可能なCT 値を担保できていた.さらに,split bolus 法は鎖骨下静脈から上大静脈にかけてのストリークアーチファクトが抑制することができた.したがって,split bolus 法は肺動脈と下肢静脈の撮影において有用な造影剤注入法である.

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