2026 年 14 巻 1 号 p. 10-
重要な要点
・Artificial Intelligence(AI)技術を用いて開発された肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)検出アプリケーションの精度を検証した.
・悪性腫瘍に対する化学療法の治療効果判定や術後の経過観察を目的とした平衡相造影CT を受けた患者を解析対象とした.
・肺血栓塞栓症検出アプリケーションの精度は感度83.7%,特異度96.3%であった.
要旨
【目的】平衡相造影CT 検査におけるArtificial Intelligence(AI)技術を用いて開発された肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)検出アプリケーションの精度を検証した.
【方法】2018 年4 月1 日から2024 年7 月31 日の期間に診療放射線技師がPTE 所見を報告し,その後放射線科医師の読影でPTE 所見を認めた222 例のうち,悪性腫瘍に対する化学療法の治療効果判定や術後経過観察を目的として実施された平衡相造影CT でPTE 所見を認めた49 例をPTE あり群とした.また,2024 年7 月1 日から2024 年7 月31 日の期間に肺癌術後の経過観察目的で実施された平衡相造影CT において,放射線科医師の読影でPTE 所見を認めなかった54 例をPTE なし群とした.両群ともヨード造影剤を600 mgI / kg 使用し90 秒間注入後,注入開始120 秒後に撮像するプロトコルを使用した症例のみを対象とし,その他の造影方法を用いた症例は除外した.抽出された症例は,AI を使って設計されたアルゴリズムを有したアプリケーションにより解析を行った.
【結果】両群間で患者背景(年齢,性別,身長,体重,body mass index)に有意な差は認められなかった.PTE 検出アプリケーションの解析精度は,感度83.7%,特異度96.3%であった.