現在,熱分析ではさまざまな温度制御方式が使われている。すなわち,定温測定,定速加熱・冷却,試料制御熱分析,温度ジャンプ,速度ジャンプ,温度変調,反復温度走査,工程開発のためのシミュレーションおよび試料熱履歴のための温度制御である。これらの利点と欠点を,図解的な例を用いて,特に速度論解析への応用に関連して,概観している。反応の全体像を解明するために,これらを組合わせて利用することが勧告されている。温度変調,反復温度走査とジャンプ法について,熱伝達が測定結果に及ぼす効果を論じ,複雑な反応の総括速度定数の虚数部が熱伝達による効果と共に現れる可能性が主張されている。