抄録
現行の高等学校理科教育課程を概観し,「熱・エネルギー」教育の現状を分析した。「熱・エネルギー」に関する教育は日常生活における科学的素養を育成するうえで重視されるべきであるが,高等学校の理科教科が選択制であることが各教科に分散した熱・エネルギーに関する内容を関連付けながら学習させる上で支障となっていることを指摘した。「環境と社会のための科学・技術(STES)」教育を推進するためには,高等学校初学年における理科必修科目の開設が必要であるとともに,エネルギー・環境教育のための教材開発や教育プログラムの充実が課題である。