熱測定
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ナノワット安定化DSCの開発とその応用
稲場 秀明東崎 健一林 英子王 紹蘭
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2005 年 32 巻 2 号 p. 77-85

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抄録
熱流束型DSCにおいて,温度センサーに半導体熱電素子モジュールの採用,±1mK以内の断熱制御,±0.1mK以内の昇降温制御,試料セル近傍の温度変動を±0.1μKのオーダーとするための温度減衰方法の採用,計測系へのノイズ,迷起電力が±1nVのオーダーとする工夫により,ベースラインの安定性±3nW程度,装置の応答速度2s程度で,装置の温度分解能0.1mK程度のDSCを製作した。このDSCを用いて,μgのオーダーの試料量のパルミチン酸とドトリアコンタンの融解挙動を測定した。試料量が減少するにつれて融点の低下が観測されたが,これは試料分子と試料容器との相互作用によるものと理解される。また,ドコサンの測定では,液体上単分子層の存在の検出や新しい多段階相転移や相転移の微細構造の検出に成功した。
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