ボリュームビューカテーテルを用いて麻酔管理した褐色細胞腫の一例

抄録

 褐色細胞腫摘出術では，カテコールアミンの過剰分泌により循環管理は難渋する。急激な血圧上昇や頻脈のみならず肺水腫に至る例もあり，循環血液量に加え肺内水分量の把握が求められる。今回，褐色細胞腫摘出術にボリュームビューカテーテルを使用し，肺血管外水分量係数（ELWI : Extra Vascular Lung Water Index）や全拡張終期容量係数（GEDI : Global End Diastolic Volume Index）等を測定した。得られた値を参考に過不足ない輸液量を維持しながら，循環作動薬を適正に使用し，循環動態が激しく変動する状況下で安定した麻酔管理を行うことができたため報告する。