2018 年 22 巻 1 号 p. 103-106
生体弁置換術後の弁逆流として,suture loop jammingがある。原因は,弁縫着時の縫合糸の絡みであり,重度の生体弁逆流を伴うため直ちに再度弁置換術を実施する必要がある。僧帽弁置換術と冠動脈バイパス術の既往がある患者において,生体弁による僧帽弁再置換術の際の体外循環離脱時に,経食道心エコーにて弁輪内及び弁周囲の逆流と,生体弁の弁尖の可動性の低下を認めた。Suture loop jammingを疑い,速やかに体外循環で僧帽弁の再置換術を施行した症例を経験したので報告する。