心臓カテーテルは先天性心疾患の病態把握,治療として重要である。小児では施行中の安静を保つことが困難なため静脈麻酔による深鎮静,または全身麻酔が必要となることが多い。鎮静,全身麻酔の選択,使用薬剤に関しては海外,本邦ともに施設間差が大きく,合併症に関しても施設によりその発生頻度が相違する傾向がある。米国では小児心臓カテーテルの鎮静・麻酔に関連した声明がだされているが,本邦では鎮静・麻酔による合併症・検査データへの影響などに関して言及したものは少ない。麻酔科医として小児心臓カテーテルにおける問題点と課題に目を向け,安全な管理,質の高い検査実施に寄与する必要がある。