Cardiovascular Anesthesia
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症例報告
左側の気管支狭窄に右側の肺動脈狭窄を合併した体外式膜型人工肺(V-V ECMO)補助下気管支ステント留置術の麻酔経験
山田 麻里子植田 裕史石垣 麻衣子小山 泰明髙橋 伸二
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2021 年 25 巻 1 号 p. 49-53

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抄録

 縦隔型肺癌による左主気管支と右肺動脈の高度狭窄のために静脈脱血—静脈送血の体外式膜型人工肺(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation:V-V ECMO)を導入した患者に対し,全身麻酔下に気管支ステントを施行した.左主気管支が開通している間はSpO2は90%台を維持していたが,左主気管支を閉塞するとSpO280%台に低下した.V-V ECMOの流量増加後はSpO2は90%台を維持した.高度気管支狭窄が片側のみでも換気可能側の肺循環の不安定から換気血流不均衡が悪化し酸素化維持に難渋する場合がある.肺循環の不安定性がある気管支ステント留置術の酸素化維持においてV-V ECMOの有用性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
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