2024 年 28 巻 1 号 p. 69-75
【目的】小児心臓手術患者において気管チューブのカフの有無が小児集中治療室(PICU)での気管チューブ入れ替えに与える影響を後方視的に検討した。
【方法】2013年1月から2019年7月までに当院で心臓手術を受けた6歳以下の小児患者を対象にPICUでの気管チューブ入れ替え率と抜管後アドレナリン吸入率を電子カルテから抽出し,カフ付き気管チューブ(Microcuff PET®)群(M群)とカフなし気管チューブ群(U群)で比較した。主要評価項目は,M群とU群でのPICUにおける気管チューブ入れ替え率,副次評価項目は抜管後アドレナリン吸入率とした。
【結果】気管チューブ入れ替え率はM群2/40例(5.0%),U群8/145例(5.5%)と両群に有意差はなかった(P=1.000)。抜管後アドレナリン吸入率も両群に有意差はなかった(75.0% vs 67.5%,P=0.442)。
【結論】Microcuff PET®は小児心臓手術後患者のPICUでの気管チューブ入れ替え率を有意に低下させなかった。PICUでの気管チューブ入れ替えに関してのMicrocuff PET®の有用性は今後さらなる検討が必要である。