比較眼科研究
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ワークショップ
安全性試験におけるERG
―イヌ―
高橋 栄治根岸 剛長島 吉和
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1995 年 14 巻 3-4 号 p. 3-4_129-3-4_133

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抄録

当所における実験手技および操作方法の再確認のため,成体雄ビーグル3頭に塩酸クロルプロマジンの1%水溶液を10mg/kgの投与量で単回静脈内投与し,網膜電位図(ERG)を経時的に測定した。その結果全例で投与1時間後にa, b波の頂点潜時の延長傾向および振幅の低下がみられ,回復したのは投与48時間後であった。回復するまでの頂点潜時および振幅の推移は3例を通じほぼ同じ傾向を示した。

以上の結果より,今回実施した実験においてデータに対して大きな影響を与えるような手技および操作上の問題点はなく,再現性および信頼性についても十分に評価に耐える結果が得られた。しかし,ERG測定時の動物の保定または筋電および交流の混入に対しての対処方法等についてはさらに改善の余地があると思われた。

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© 1995 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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