1997 年 16 巻 1-2 号 p. 1-2_27-1-2_30
育成カニクイザルにおいて慢性腎性網膜症が認められた症例について、その病変の発生前から発生後にわたる普通眼底像の変化と、発生後のフルオレセイン蛍光眼底造影像(FAG)、インドシアニングリーン蛍光眼底造影像(ICG)、網膜活動電位(ERG)等の検討を行った。普通眼底撮影では、左右眼底全体に綿花様白斑、眼底出血、中心窩の周りに放射状に硬性白斑、網膜動脈の狭細化が観察された。FAGでは、綿花様白斑部位に一致して蛍光色素の漏出、眼底出血部位に一致して低蛍光が観察された。ICGでは、FAGで観察された蛍光色素の漏出部位の一部に一致して色素漏出が観察された。ERGでは錐体系および杆体系反応ともに正常範囲内であった。