比較眼科研究
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ウサギの前房穿刺後における眼房水中の一酸化窒素濃度
金井 一享印牧 信行岩本 志保松尾 史朗奥嶋 久孝和田 恭則
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2004 年 23 巻 1-2 号 p. 1-2_19-1-2_21

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抄録

前房穿刺後の血液房水関門(BAB)の崩壊における急性炎症反応について日本白色種ウサギを用いて試験した。前房穿刺後、眼房水中における亜硝酸塩、プロスタグランジンE2ならびに蛋白濃度について測定した。一次眼房水を採取し、30分後の2次眼房水を採取した。二次房水中亜硝酸塩、プロスタグランジンE2、および蛋白質の濃度は一次眼房水のそれと比較して有意に増加した。二次眼房水では、亜硝酸塩、プロスタグランジンE2、および蛋白質の濃度はそれぞれ6.55 ± 1.05 μmol/l、274.42 ± 10.37 pg/ml、22.70 ± 5.70 mg/mlであった。一次眼房水では、亜硝酸塩、プロスタグランジンE 2、および蛋白質の濃度はそれぞれ4.11 ± 0.54 μmol/l、3.34 ± 0.11 pg/ml、3.69 ± 0.20 mg/mlであった。これらの所見は、前房穿刺後に伴うプロスタグランジンE2と蛋白濃度の変化に関連し、眼房水のNOの動態が血液房水関門の崩壊に重要な役割を果たす可能性を示唆するものである。

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© 2004 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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