比較眼科研究
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症例報告
無処置ビーグル犬でみられた眼底異常の2症例
小林 幹英青木 豊彦細川 暁古川 敏紀
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2004 年 23 巻 3-4 号 p. 3-4_7-3-4_12

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抄録

Marshall Farm Inc.(米国ニューヨーク州)よりこれまで当研究施設(エーザイ株式会社 安全性研究所 川島研究室)に導入したビーグル犬雌雄各195頭の導入後の眼科学的検査において、2頭に眼底異常(症例1:両眼の眼底にタペタムが観察されないもの、症例2:両眼の視神経乳頭近辺のタペタム部に退色した部分がみられたもの)が認められた。そこで、これらの症例を詳細に調べるため、更に蛍光眼底検査、網膜電図測定及び病理組織学的検査を行った結果、症例1はタペタム欠損、症例2は限局性網膜形成障害と診断された。
毒性試験の際、前者は標的臓器の欠如動物となり得、後者は全眼球的な奇形に伴う所見と考えられることから、いずれの症例においても、実験動物として不適と考えられ、毒性試験に供するのは好ましくない所見と結論づけた。

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© 2004 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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