比較眼科研究
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老人性白内障発生機序の生化学的in vitroアプローチ
坂東 正康三国 郁夫木勢 恵一尾羽沢 大
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1988 年 7 巻 1-2 号 p. 11-14

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抄録

老人性白内障にともなう生化学的変化として水晶体蛋白質の凝集,電解質輸送の機能障害そして水晶体蛋白質の酸化等が知られている。本報告は,水晶体蛋白質のカルシウムイオン依存性凝集が酸化や光酸化によって顕著に促進されることを,また,水晶体細胞膜の電解質輸送機構が酸化によって損傷を受けることを示している。これらの結果から,一つの可能性として,老人性白内障においては膜機能が酸化障害を受け,カルシウムイオンが増加することによって酸化変性した水晶体蛋白質の凝集が起こり白内障にいたると考えられた。

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© 1988 Japanese Society of Comparative and Veterinary Ophthalmology
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