2019 年 3 巻 1 号 p. 6-8
沖縄は独自の歴史と豊かな文化を持つ。一方で米軍基地の整理縮小が進まない上に普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡って県と国が対立するなど沖縄戦とその後の米国統治の影響が大きな社会課題として残っている。いま私たちには沖縄の歩んできた近現代史への正確な知識に基づいた眼差しが求められる。その時アーカイブが大きな役割を果たすはずだ。今回の特集では沖縄のアーカイブをテーマに、自治の歴史を刻んだ「琉球政府文書」のデジタルアーカイブ化、沖縄戦や占領下の沖縄をとらえた映像資料の公開と利活用、そしてメディアや個人が所蔵する映像や写真を利用して新たな“アーカイブコミュニティ”を生み出そうという取り組みについて報告する。