本稿の目的は、デジタルアーカイブを用いた、古典教育の学習モデルを提案・検証することである。稿者らは、古典に基づく絵画と古典の本文とを往還しながら比較することで、古典の本文読解を深化させるという学習モデルを考案し、大学での授業実践を通してその効果を検証した。その結果、学習モデルは『平家物語』と『竹取物語』のどちらにも適用可能であることが確認された。また、受講生の感想からは、学習モデルによって、絵画から情報を補完して本文理解を深める効果が示された。さらに、学習で使用した本文や絵画について、探究的な学びに発展させられる可能性も示唆された。
小規模地方自治体の図書館のデジタルアーカイブ構築に向けて、saveMLAKの調査を基に自治体規模別の公立図書館デジタルアーカイブ設置率を調査した。また、デジタルアーカイブを提供者である公立図書館の立場から分類し、この分類と自治体規模別の設置率の関係を明らかにした。その結果、小規模地方自治体ではデジタルアーカイブの設置が少なく、また、自治体のホームページなどを活用してデジタルアーカイブを導入することが多かった。これをふまえ、公立図書館におけるデジタルアーカイブ構築に向けて事例を分析し、今後の展望を考察した。
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