COVID-19 状況下で、博物館活動もネット上で゙の活動が多様性、量ともに大幅に増加した。デジ゙タルアーカイブ゙の活用も、各博物館で゙主に研究成果や所蔵品の公開を中心に進んで゙いる。ここでは、教育活動へのライブ配信の活用とそのアーカイブについて、大阪市立自然史博物館の活動を検討する。教育活動の類型に応じて、様々な配信手法を選択しているが、それぞれにオンライン上の活動に利点と限界があった。細かな工夫で魅力を補うことも試みた。また、教育映像コンテンツのアーカイブの効果についても言及した。
本稿は日系カナダ人財産没収を主題とする「不正義の景観(LoI)」アーカイブを事例に、デジタルアーカイブが日系カナダ人の想起に与える影響を考察する。LoIアーカイブは学術資料、日系カナダ人の集合的記憶、家族の記憶という3つの側面を持つ。日系カナダ人ユーザーが書いた記事の分析から、ユーザーにとってLoIの資料が家族史として重要である事が示された。ユーザーは感情に着目することで、財産没収が持つ行政の不正義と家族の過去という側面を、共に個別的な家族の記憶として理解する。このような理解は、より大きな集団の物語と個別的な記憶を競合なく並存させることができるデジタルアーカイブの表現の可能性を示唆している。
文化財の継承・保存・活用にはオープンデータの公開が有用であり、政府によって文化財情報の公開が推奨されている。本研究は、日本全国の文化財に関するオープンデータの取り組みや公開状況を調査し、現状分析を行ったうえで課題を明らかにすることが目的である。調査の結果、推奨フォーマットを利用したうえで指定の項目まで一致したデータセットを公開している自治体はかなり限られており、再利用性に課題があることが明らかになった。推奨フォーマットに準拠した文化財オープンデータ公開自治体を増加させるには、より分かりやすく文化財に適したデータセット作成の仕組みを整備する必要がある。
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