デジタル資料の長期保存には媒体の劣化やフォーマットの陳腐化など多くの課題があり、その課題を解決する対策の一つとして、OAIS参照モデル(Reference model for an Open Archival Information System、以下OAIS)が開発され、関連技術やツールも発展してきた。そのツールの一つであるArchivematicaは、OAIS準拠の保存ワークフローを自動化し、アーカイブ資料の管理・保存を行う仲介役を果たしている。本稿では、Archivematicaの開発背景や、特徴、機能、導入事例などから、ArchivematicaがどのようにOAISに基づいた長期保存を支えているかを探ることで、長期保存に関する理解を深める。