2019 年 3 巻 4 号 p. 383-387
新潟大学の研究プロジェクト「にいがた 地域映像アーカイブ」は、地域の町や村と連携しながら、新潟を中心とした地域の生活のなかにある映像を発掘して、整理・保存を行い、デジタル化をし、さらには、その内容を整理、分析し、映像メディアの社会的あり方を考え直し、新たな社会の文化遺産として映像を甦らせるものとして構想された。地域のデジタル映像アーカイブは、デジタル化という現在の大きな社会変容のなかで、機能しなくなった研究状況を打破する装置であり、地域の時間層へのボーリング調査によって、社会変容の基層にあるものが何なのか、デジタル化することによって再帰的に実証し、地域そのものをブーツストラップ(編み上げ直す)するものだ。