2021 年 5 巻 4 号 p. 236-243
アジア太平洋戦争は、国家総動員の掛け声のもとで行われ、その戦争を人々が受け入れるにあたっては教育やメディアなどを通して様々な共通意識が醸成されていったと言える。そして、戦争体験者の言葉を読み解くことで、その意識とはどのようなものだったのかを浮かび上がらせることができないだろうか。デジタルアーカイブ化で公開されている戦争体験者の証言からキーワードを取り出して、その言葉がどのような文脈とともに紡ぎ出されたのかを見ていき、人々の戦争との向き合い方を探るオーラルヒストリーの実践を試みる。