デジタルアーカイブ学会誌
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口頭発表
[32] 米国での日本のアニメ・特撮作品を通じた産業振興と文化紹介の歴史:アニメ・特撮ツーリズム研究の視点から
二重作 昌満
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 7 巻 s1 号 p. s30-s33

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抄録

本研究では、これまで数多くのアニメ・特撮映像作品が輸出された米国に焦点を当て、同国で日本製のアニメ・特撮映像作品を放送した際に生じた問題点やその対応策について、観光歴史学的な観点による調査研究を実施した。その結果、日本から米国へアニメ・特撮映像作品を輸出してきた歴史は約70年に及んでいた。本研究では、この歴史を3つの時代に分けて概説した。1950~1960年代は外貨獲得のための産業振興策として日本のアニメ・特撮映像作品が輸出され、1970年代にはハワイ州において特撮ヒーロー番組が社会現象化したことに伴い、催事が開催されるようになった他、1990年代にはアニメ・特撮両映像作品が米国全体で爆発的なヒットを巻き起こした。しかし、その人気の裏には米国の社会事情を踏まえた作品内容の変更等の「ローカライズ」が実施されており、単に作品を輸出するだけでなく、米国の放送環境や社会事情を踏まえる形で作品を輸出させてきたことに特徴があった。

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