2014 年 24 巻 3 号 p. 165-176
平成23年東北地方太平洋沖地震の後,複数の重力式コンクリートダムで,堤体横継目からの漏水が増加する現象が報告された。その原因について考察するため,既往地震での同様の事例を調査した。また,数値解析や実ダムでの振動計測により地震による堤体内各横継目部への影響について分析した。その結果,地震時における横継目部への負荷は,堤体内の継目位置により異なり,地形条件に依存する堤体縦断形状の影響を受けて負荷が集中しやすい位置があること,負荷の大きさは継目の拘束条件により異なることなどがわかった。