ダムピアは大規模地震による設備損壊時の社会的影響が大きいため耐震性の確保が必要であるが,補強事例は少ない。ダムピアの構造性能の向上を目的とした補強工法として,海外でダム堤体の安定性向上を目的とした補強事例が多いPSアンカー工法が着目されているが,動的挙動や定着部の影響などに関する検討が不足している。本稿では実物ダムピアを対象に施工性などの実務的視点を考慮した補強仕様を検討し,3次元ソリッドモデルを用いた漸増静的解析および漸増動的解析により補強効果や定着部の影響などを検証した。
近年,就業者の高齢化が急速に進んでおり,今後,高齢就業者の大量退職や,少子化による就業者減少に伴い,担い手不足の深刻化が建設業においても懸念されている。こうした背景から,施工の合理化,新技術の活用により省人化・省力化を図り,生産性を向上させることが求められている。また,近年カーボンニュートラルの実現を目指し,消費エネルギーを削減するため,様々な取組みが行われている。本稿では,台形CSGダム型式で国内最大規模の成瀬ダムにおいて,施工合理化,新技術活用,環境配慮の取り組み事例について報告する。
南摩ダムはコンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムである。ロック材はダムサイト近傍の原石山から採取している。材料採取工では,良否判別にエコーチップ・帯磁率計による「オンサイト測定法」や穿孔中に穿孔エネルギーにより岩区分を判定できるシステムを導入している。盛立工では,ブルドーザと振動ローラの自動運転を行っている。また,表面遮水壁工(フェイススラブ)では,材料分離抑制・長時間のスランプ維持を目的としたコンクリート配合設計やスリップフォームの側圧・挙動,締め固め時間と締固め程度を把握するため試験施工を実施している。