2020 年 30 巻 2 号 p. 138-148
2019年台風第19号時に大規模出水が発生したダム流域の長時間アンサンブル降雨予測情報に統計的ダウンスケーリング手法を適用し,大型台風接近時における長時間アンサンブル降雨予測の適用性と効果的な事前放流方法についてモデル解析を行った。その結果,長時間アンサンブル降雨予測を用いて総降雨量,必要な洪水貯留量および回復可能量を経時的,確率論的に把握できることが示された。それに基づき,事前放流の早期開始および降雨予測の変化に適応した放流量設定の考え方を整理し,その算定方法を提案した。