天ヶ瀬ダム再開発トンネル式放流設備のうち,減勢池部は主ゲートからの高圧・大量の放流水を減勢させるため超大断面水路トンネルである。トンネルは,堅固な砂岩・泥岩内に介在する脆弱な破砕帯を小土被りで通過するため,側壁導坑・中央導坑先進多段ベンチカット工法を採用し,掘削時に情報化施工を適用した。着工後間もない側壁導坑の掘削時に判明した破砕帯幅の拡大に対応するため,当初の側壁安定対策工よりも大きな効果が期待できるRC円柱支保工を考案した。本文では,日本初の超大断面トンネル型減勢工の設計,施工および情報化施工について報告する。