2010 年 29 巻 3 号 p. 270-276
3種類のセルフアドヒーシブレジンセメントのチタンに対する接着耐久性を繰り返し衝撃荷重負荷による高加速寿命試験を用いて評価した.接着材はRely X Unicem,Breeze,SA lutingの3種類を使用した.接着が完了した試験片は,37℃の水中に24時間浸漬した後,繰り返しせん断衝撃荷重を37℃の水中環境で最大50万回負荷し,破断に至るまでの繰り返し数を測定した.最大負荷荷重は20kgfと30kgfの2条件とした.破断繰り返し数の測定値を用いて高加速寿命試験を行った.分析結果から得られた予測疲労寿命がRely X Unicemで約5万回,Breezeで約34万回,SA lutingで約500万回と推測した.SA lutingがRely X Unicem,Breezeよりチタンに対する高い衝撃接着耐久性を示した.高加速寿命試験は,レジンセメントのチタンに対する接着の繰り返し衝撃荷重による耐久性評価に使用可能である.