日本歯科理工学会誌
Online ISSN : 2188-417X
Print ISSN : 1884-4421
ISSN-L : 1884-4421
最新号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
特集「歯科理工学教育の現状と課題,未来に向けた提言」
小特集「PAEK(ポリアリールエーテルケトン)について─とくにPEEKやPEKKの歯科的応用」
日本の製品
海外の製品
原著
  • 高橋 正敏, 笹崎 浩司, 髙田 雄京
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 43 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 2024/01/25
    公開日: 2024/01/26
    ジャーナル フリー

    高強度歯科用チタン合金開発の基材として5~20%(mass%)のMnを含有したTi-Mn合金を試作し,その鋳造体の合金相,硬さ,耐力,引張強さ,伸びを調べた.X線回折試験の結果,Ti-5~7%Mnはα+β合金で,8%Mn以上の組成は準安定β相を持つ合金であった.Ti-6~8%Mnには~相のピークも認められた.Ti-Mn合金の硬さはいずれもTiより有意に大きかった.Ti-7%Mnの硬さは~相の析出により500 HV以上であった.準安定β相であるTi-10~15%Mnの硬さは350 HV前後であった.Ti-5%Mn合金と9~14%Mnの強さはTiより有意に大きく,5%Mnと10%Mnの引張強さは800 MPa以上であった.前者の強さの向上には固溶強化と析出強化が,後者の向上には固溶強化がそれぞれ寄与した.Ti-Mn合金の伸びは小さかったが,いくつかの組成の破断面にはディンプルが認められた.高強度Ti-Mn-X系3元合金を開発するための基材となる組成は,Ti-10~14%Mn合金である.

feedback
Top