日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
Online ISSN : 2434-2254
Print ISSN : 1343-8441
症例報告
てんかん発作のコントロールによって拒食が悪化した小児例
麻生 幸三郎橋本 真帆菱川 容子別府 玲子
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2014 年 18 巻 3 号 p. 297-303

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抄録

【目的】乳幼児期発症の拒食症とてんかん発作の関連を検討した.

【方法】乳幼児期に拒食がみられたために濃厚流動食,経管栄養を必要とし,かつ,難治てんかんを有する小児4 例を後方視的に調査した.

【結果】4例全例,自閉傾向のある精神遅滞を合併しており,てんかん発作が頻発している時期に発作の減少,消失に伴って拒食が出現,増悪した.逆に,発作の増加,再発に伴い,拒食が改善,消失していた.

【考察】臨床経過および治療経過から,4例とも抗てんかん薬の副作用ではなく,発作の増減そのものが拒食の増悪,改善に影響していたと推定される.乳幼児期発症の拒食症においては,てんかん発作コントロールが拒食を誘発,増悪させる可能性がある.

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© 2014 一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会
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