【目的】乳幼児期発症の拒食症とてんかん発作の関連を検討した.
【方法】乳幼児期に拒食がみられたために濃厚流動食,経管栄養を必要とし,かつ,難治てんかんを有する小児4 例を後方視的に調査した.
【結果】4例全例,自閉傾向のある精神遅滞を合併しており,てんかん発作が頻発している時期に発作の減少,消失に伴って拒食が出現,増悪した.逆に,発作の増加,再発に伴い,拒食が改善,消失していた.
【考察】臨床経過および治療経過から,4例とも抗てんかん薬の副作用ではなく,発作の増減そのものが拒食の増悪,改善に影響していたと推定される.乳幼児期発症の拒食症においては,てんかん発作コントロールが拒食を誘発,増悪させる可能性がある.