日本透析医学会雑誌
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原著
超弾性ワイヤーを用いた透析患者の陥入爪に対する矯正術の有効性
安藤 哲郎田丸 裕子石崎 さゆり才木 多恵子石田 秀岐関口 博行伊藤 恭子松尾 英徳安藤 義孝
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2007 年 40 巻 9 号 p. 775-780

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抄録

陥入爪は彎曲した爪甲の縁が軟部組織に食い込み爪周囲炎をひきおこす, 日常で遭遇する頻度が高い疾患である. 超弾性ワイヤーを用いた陥入爪矯正術は, 彎曲した爪にワイヤーを挿入し, その復元力によって爪を矯正する治療法である. 本研究では維持透析患者における下肢の陥入爪に対して超弾性ワイヤーを用いた矯正術の有効性について検討した. 対象は2004年7月から2006年4月の間に陥入爪に対して超弾性ワイヤーを挿入し2か月以上の観察が可能であった維持透析患者22症例22趾. すべての症例で陥入爪による症状の改善を認めた. 重大な合併症は認められなかった. 本方法は低侵襲的であり, 比較的容易な方法でありながら十分な効果が得られたことから, 透析患者の陥入爪に対しての有効な治療法と考えられた.

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© 2007 一般社団法人 日本透析医学会
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