抄録
原疾患の慢性糸球体腎炎による慢性腎不全のため2003年より血液透析を導入された62歳,男性.生体腎移植目的にて入院,手術となった.術中に用いた新鮮凍結血漿製剤(fresh frozen plasma: FFP)により輸血副作用のなかでも問題となっている輸血関連急性肺障害(transfusion-related acute lung injury:TRALI)が疑われたので報告する.本症例はABO血液型不適合移植のため術中に血液製剤使用を行ったが,これに起因する呼吸状態悪化を認めた.原因精査と加療を行いながら移植腎機能を保全するという状況下での麻酔管理を余儀なくされた症例であった.今後も増加するであろうABO血液型不適合生体腎移植とそれに伴う輸血療法についての若干の考察を加え症例報告することとする.