抄録
【目的】腹部大動脈石灰化スコア (abdominal aortic calcification score : AACS) がうっ血性心不全 (CHF) 発症および死亡と関連するかを前向きに検討した. 【方法】対象は単一施設に2009年1月外来通院中の慢性血液透析患者 (HD) 72名. 開始時臨床・検査指標, AACSを測定し2年間追跡した. 高AACS群 (≧7点 ; HAACS) と低AACS群 (<7点 ; LAACS) に分け, 主要評価項目をCHF発症, 副次的評価項目を死亡として比較した. 【結果】HAACSはLAACSに比べ, 透析歴が長くカルシウムが高い傾向があった. 両群においてAACSは年齢と正相関した (HAACS r=0.21, p=0.002 ; LAACS r=0.09, p=0.001). 生存分析で, HAACSがLAACSより有意にCHF発症が多く (χ2=5.69, p=0.02), 生存率が低かった (χ2=4.21, p=0.04). 【結論】AACSはHDでCHF発症および死亡の予測因子となり得る.