2016 年 49 巻 11 号 p. 733-741
急性腎障害 (acute kidney injury : AKI) は入院患者において最もよく遭遇する重篤な合併症のひとつであり, その頻度は年々増加の一途を辿っている. 医療技術や診断が進歩した現代においてもその予後は不良で, 最近数十年来ほとんど改善されていないのが現状である. AKIに対する根本治療は存在せず, 腎代替療法 (renal replacement therapy : RRT) が中心的な治療となる. AKIに対するRRTに関しては, いまだ解決しなければならない問題が多く残されている. 「間歇的か持続的か?」, 至適血液浄化量などについてはある程度のコンセンサスは得られているものの, AKIに対するRRTの開始・中止基準, 抗凝固剤, 浄化膜の素材, などについてのエビデンスは乏しい. したがって, こういった問題を解決し, AKIの予後を改善するためにはさらに多くの研究が必要となる. 本稿ではAKIに対するRRTの現状と問題点について概説する.