日本透析医学会雑誌
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症例報告
免疫グロブリン軽鎖κ/λ比の上昇が唯一の診断契機となった多発性骨髄腫の血液透析患者の1例
小島 史子田中 好子石山 みどり田中 淳司鈴木 敦吉澤 佐恵子中島 春乃神山 貴弘佐藤 尚代花房 規男堀田 茂内田 啓子新田 孝作
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2020 年 53 巻 2 号 p. 93-98

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抄録

症例は47歳男性. 200X年に初めて腎機能障害Cr 1.2mg/dL (尿蛋白陰性) を指摘され, 2年後にはCr 6.9mg/dLと急速に進行し, 翌年原因不明の慢性腎不全にて血液透析を導入した. 導入時より心肥大を認め, 2か月後より肝機能障害, 肝左葉腫大, 脾腫を認め, 透析導入1年6か月後に免疫グロブリン軽鎖κ/λ比68.23と高値であったことから, 骨髄穿刺を施行し多発性骨髄腫と診断した. 原因不明の透析患者において, 原因疾患を探す姿勢は大切であり, 今回, 免疫グロブリン軽鎖κ/λ比の上昇から軽鎖型 (Bence-Jones型疑い) の多発性骨髄腫の診断に至った症例を経験したので報告する.

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© 2020 一般社団法人 日本透析医学会
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