2020 年 53 巻 5 号 p. 235-242
【目的】導入期における血液透析患者の筋肉量をCT法で評価し, 生命予後との関連について検討した. 【対象】2008年4月から2018年3月に当院で血液透析導入し, 導入時のCT画像が入手可能であった82例を対象とした. 【方法】骨格筋量はCTにてPMI (Psoas Muscle Mass Index: 第3腰椎レベルの腸腰筋断面積 (cm2) ÷身長2 (m2)) で評価した. 【結果】低PMI群は正常PMI群と比して, 心疾患の合併が多く, 導入時の血液データにおいてアルブミンが低値であった. 全生存率において低PMI群は正常PMI群と比して生存期間が有意に短かった (p<0.001). また, 予後に関する因子については多変量解析で低PMI (p=0.013) と高齢 (p=0.0089) が独立因子となった. 【結論】透析導入時において高齢と骨格筋量の減少は予後不良因子であった. 今後, 透析導入時からサルコペニアをターゲットとした栄養療法やリハビリテーションを含めた介入研究の必要性が示唆される.