日本透析医学会雑誌
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原著
食肉製品のリン含有量と調理法によるリン含有量の変化
出口 香菜子井上 啓子加地 ひかり伊藤 友里楠 英恵
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2021 年 54 巻 6 号 p. 261-269

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抄録

食肉製品のリン含有量を明らかにすることを目的とし,ウインナーソーセージ(以下,ウインナー)14種類,その他食肉製品10種類のリン含有量をバナドモリブデン酸吸光光度法で測定した.また,ウインナーに4種の調理を行い,リン含有量の変化をみた.ウインナー14種類のリン含有量は118.3~344.0 mg,リン/たんぱく質比は7.4~32.8 mg/gであった.その他食肉製品のリン含有量は84.9~356.4 mg,リン/たんぱく質比は6.5~21.6 mg/gであり,リン酸塩とpH調整剤の表記のない商品のリン含有量は低値であった.調理法別のリン含有量は,切込ありの茹で調理で,加熱前と比較し27.0%有意(p=0.008)に減少した.食肉製品は種類によってリン含有量に違いがみられ,リン酸塩とpH調整剤の表記のない商品が勧められる.また,リン含有量を減らすには鍋を使用した茹で調理が推奨される.

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© 2021 一般社団法人 日本透析医学会
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