日本透析医学会雑誌
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症例報告
移植腎機能廃絶後に導入した腹膜透析により横隔膜交通症を発症した1例
井手 菜月, 山﨑 大輔, 丁 奎光, 髙畑 志歩, 松木 葵, 井上 侑子, 門澤 啓太, 長辻 克史, 濱田 真宏, 北林 千津子, 森川 貴, 浅井 利大, 高濱 誠, 小西 啓夫
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2025 年 58 巻 2 号 p. 113-119

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抄録

症例は42歳女性.先天性腎尿路異常(CAKUT)から末期腎不全に至り,X‒19年に生体腎移植を施行した.その後ステロイドを含む免疫抑制剤を内服していたが,腎機能が悪化し,X年に持続携行式腹膜透析(CAPD)を開始した.初回腹膜透析液注入後から,胸部違和感が出現し,胸部X線で右片側胸水を認めた.CT peritoneographyで,横隔膜欠損孔を示唆する所見を認め,横隔膜交通症と診断した.第9病日に横隔膜縫縮術を施行し,第15病日にCAPDを再開した.翌日に胸部違和感が出現し,胸部X線で右胸水の増加を認めた.横隔膜交通症の再発と考え,血液透析導入の方針とした.本例では,原疾患がCAKUTであったことから先天的に横隔膜欠損孔が存在していた可能性や,ステロイドの長期使用が横隔膜の脆弱性をきたしたことが,横隔膜交通症の発症,再発に寄与した可能性がある.移植腎機能廃絶時に腹膜透析を導入した際には,横隔膜交通症の発症に注意する必要があると考える.

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© 一般社団法人 日本透析医学会
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