日本透析医学会雑誌
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短報
維持血液透析患者における足趾上腕血圧比(Toe‒brachial pressure index)による主要心血管イベントの予測因子としての有用性
吉井 隼野地 剛史勝野 渉田村 茉央長谷川 美帆田井 怜敏青木 敏行横内 到杉 薫渡邉 紳一西村 宗修
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2025 年 58 巻 5 号 p. 265-269

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抄録

【目的】本研究は維持血液透析(HD)患者の足趾上腕血圧比(TBI)の主要心血管イベント(MACE)予測因子としての有用性を調査した.【方法】HD患者157名をMACEの有無と足関節上腕血圧比(ABI),TBI,皮膚灌流圧(SPP)を含めた各因子を用いた予後因子解析を行った.【結果】Cox比例ハザードモデル検定の結果,TBIは最も独立した予後因子であった(p <0.001).またMACE予測のROC曲線では,TBIのcut off値が0.56,曲線下面積はTBI 0.79で予測能が最も高かった.【結論】HD患者においてTBIはMACEの予後因子として有用である.

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© 一般社団法人 日本透析医学会
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