日本透析医学会雑誌
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原著
AYD001 第Ⅲ相臨床比較試験(多施設共同試験)
阿部 雅紀安藤 重輝小倉 学前田 益孝大塚 正一新井 鐘大武田 福治出口 文佐栄大井 克征鈴木 都美雄神應 太朗岡田 規
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2026 年 59 巻 3 号 p. 96-106

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抄録

近年,透析患者の高齢化による低Kおよび低Mg血症が懸念されており,透析液のKとMg濃度を再考する時期である.カーボスター(CAB)の特徴を維持したAYD001を開発した.AYD001はCABと比較し,K濃度を2.5 mEq/L,Mg濃度を1.5 mEq/Lへ変更し,HCO3濃度を33 mEq/Lへ減じた透析液である.62例の透析患者を対象にAYD001とCABのクロスオーバー比較試験を実施した.主要評価項目の小分子溶質の除去率は2群で有意な差は認めず,AYD001のCABとの類似性が認められた.副次的評価項目の透析後の血清電解質について,事前に規定された基準範囲を満たしている症例数の割合を算出し,群間比較を行った.血清KおよびMg濃度はCAB群に比べAYD001群が有意に高値で推移した.HCO3濃度はCAB群に比べAYD001群が低値で推移した.重篤な有害事象は両群で認められなかった.AYD001はCABと同等の有効性および安全性を有し,臨床的に意義のある透析液であると考えられた.

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© 一般社団法人 日本透析医学会
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