日本透析医学会雑誌
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症例報告
バスキュラーアクセス荒廃後に腹膜透析へ移行し,生体適合性に配慮した3.86%ブドウ糖透析液で除水不全に対応した1例
清水 瞭野村 直輝戸出 健斗足尾 慶次大西 紘平神谷 知明野嵜 智也田畑 光紀遠藤 信英
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2026 年 59 巻 5 号 p. 349-355

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抄録

バスキュラーアクセス荒廃は血液透析の継続を困難とし,代替透析法の選択が治療継続性に大きく影響する.今回,人工血管内シャント感染を契機にバスキュラーアクセスが荒廃し,腹膜透析へ移行した無尿患者において,除水不全に対し3.86%ブドウ糖透析液を用いて体液管理が可能であった1例を経験した.症例は1型糖尿病を原疾患とする末期腎不全患者で,緑膿菌による人工血管内シャント早期感染のため人工血管全抜去を要した.腹膜透析移行後,2.27%ブドウ糖透析液およびイコデキストリン透析液では除水不全を認めたが,夜間サイクラーを用いた3.86%ブドウ糖透析液の頻回交換により安定した除水が得られた.近年,生体適合性が改善された中性・重炭酸緩衝透析液の普及により,このような治療戦略は一律に回避すべきものではないと考えられる.本症例は,病態を考慮した3.86%ブドウ糖透析液の選択的使用が,除水不全への対応として有用となり得る可能性を示唆する.

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© 一般社団法人 日本透析医学会
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