日本透析療法学会雑誌
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二次性副甲状腺機能亢進症に合併した大腿四頭筋腱断裂症の5例
井上 聖士吾妻 真幸藤田 嘉一荘野 忠泰平林 俊明依藤 良一稲垣 王子森 頴太郎堀口 幸夫平岡 敬介永井 博之馬殿 正人大植 春樹
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1988 年 21 巻 1 号 p. 41-45

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抄録
長期透析患者の大腿四頭筋腱断裂の5例を報告した. 平均年齢39.0±6.1歳, 腱断裂までの平均透析期間は10.1年であった.
すべての症例で高度の二次性副甲状腺機能亢進症 (2°HPT) と腎性骨異栄養症 (ROD) が存在し, 副甲状腺摘除 (PTX) を必要とした. 5例中4例で腱断裂後にPTXを行い, 副甲状腺の過形成を確認できた.
5例中4例 (No. 1, 3, 4, 5) は両側の大腿四頭筋腱断裂で1例 (No. 2) は片側であった.
4例のPTX患者のうち2例 (No. 1, 3) で腱縫合術を行い, 1年後には膝関節運動機能は著しく改善した. 腱縫合術を受けなかった2例 (No. 4, 5) では膝関節運動機能は悪く, 著しい制限がみられた.
透析患者の腱断裂の病理学的機序としては2°HPTによる骨吸収のため骨の強度や構造の脆弱化, 異所性石灰化などが考えられた.
高度な2°HPTを合併している長期透析患者の腱断裂の修復にはPTXと腱縫合術が有用であろう.
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© 社団法人 日本透析医学会
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