日本透析療法学会雑誌
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慢性血液透析患者に発症した脊椎カリエスの1例
武田 一人原田 篤実久保 充明岩本 剛人相原 忠彦栗尾 重徳
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1991 年 24 巻 3 号 p. 391-394

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抄録
我々は慢性血液透析患者に脊椎カリエスを発症し, 外科的治療により治癒した症例を経験したので報告する. 症例は39歳, 透析歴5年の女性. 昭和63年12月より発熱, 背部痛が出現し, 抗生剤に反応しないため不明熱として, 平成元年4月当科に入院した. ツ反, 胸写, 胸椎断層撮影, CT, MRI等にて脊椎カリエスと診断したが, 抗結核剤投与のみでは改善せず, 整形外科的手術を施行した. 術後は発熱, 背部痛は消失し, 約3か月のリハビリテーションの後退院し, 外来慢性血液透析へ復帰した. 透析患者の結核症では肺外結核が多いとされているが, 脊椎カリエスの報告はこれまで2例と少なく, 手術療法にて治癒した報告は我々の症例が初めてと思われる.
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© 社団法人 日本透析医学会
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