日本透析療法学会雑誌
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自動返血機能付コンソールの試作
林 弘美安田 幸一郎小出 勝美山口 智成宮崎 正一芦澤 雅彦判前 明広伊橋 徹西山 和成宮崎 浩明広野 悟勝見 一治北沢 昭治本吉 等入江 康文田代 晴康
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1991 年 24 巻 9 号 p. 1287-1289

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抄録
同時多人数透析での返血操作時における, 空気誤入等の事故を未然に防止することと, 返血操作業務の合理化を目的とし, 血液ポンプの回転数制御方式による一部自動返血機能を備えたベッドサイドコンソールを用いて, 1984年より1990年までの間に約25万回の血液透析の返血操作を行い, 空気誤入等の事故例もなく良い結果であったが, さらに, 操作性・安全性の向上を目的とした自動返血機能付コンソールを作成し98症例において使用した.
血液ポンプ手前の生食ラインより動脈留置針までを生食の落差圧約80mmHgを用いて返血し, 血液ポンプ以降の返血においては, 従来より用いている回転数制御方式により行った. 動脈側回路内血液回収には, 13秒から108秒, 平均35秒の時間を要し, 最高血圧180mmHg以上で動脈血管直接穿刺を行っていた2症例においては, 生食の落差圧による回収は不可能であった. ダイアライザー・静脈側回路内血液の回収においては, 全症例十分可能であった.
当院のように, 一つのフロアでの同時多人数透析においては, 返血操作時の事故防止および業務の合理化を進める上において十分有用なシステムと考えられるが, 今後さらに改良を重ねて全ての症例に対応可能である操作性のすぐれたものとする必要があると思われた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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