1993 年 26 巻 4 号 p. 519-523
Extra cellular superoxide dismutase (EC-SOD) は血清およびその他の体液中に存在し, Superoxide (O2-) あるいはこれから派生する活性酸素種による障害から血管内皮細胞を防御するものと報告されている.
筆者らは保存療法中の慢性腎不全患者 (CRF), 透析中の患者 (HD) について血漿EC-SOD値を測定し, その意義について検討した.
結果は正常者に比しCRF患者の血漿EC-SODは有意の上昇, HD患者ではさらに増加することを観察した. HD前後の比較ではHD後に有意の上昇を認めた.
腎障害患者での血漿EC-SOD値の上昇は, EC-SODの内皮細胞への結合障害, 代謝排泄の遅延, ヘパリンの影響が考えられた.